ケモナー向けラブドールでアダルトグッズ業界に初参入! 開発担当に聞く、けものひめシリーズ誕生秘話

コラム・ブログ

2017/03/16

ものしり.com編集部


ケモナー向けラブドールというアダルトグッズ業界初の製品を生み出したメーカーYOS社。お客様はもちろん、アダルトグッズショップに勤める人間すら聞きなれないメーカーです。しかし、それもそのはずYOS社アダルトグッズ業界へ初参入の企業というのだから驚きです。
今回YOS社へ訪問し、取材を行いました。けものひめシリーズの誕生秘話から、開発で苦労されたこと、さらに今後の展開など同シリーズのファンの方にぜひお読みいただきたいインタビュー記事となりました。



けものひめシリーズでアダルトグッズ業界に初参入! YOSとは一体どんな会社?

ケモナー向けラブドールでアダルトグッズ業界に初参入! 開発担当に聞く、けものひめシリーズ誕生秘話

YOS社へ到着すると取材させていただくY氏は不在。しばらくすると忙しそうにと小走りでY氏がいらっしゃいました。
–初めまして、本日はよろしくお願いいたします。
Y氏:遅れてすみません。本日はよろしくお願いいたします。

–さっそくお伺いしたいのですが、YOSはどんな事業をされている企業ですか?
Y氏:弊社はグループ内でさまざまな事業を展開しています。そして、常に新しいことへチャレンジしたいという考えを持っている中、アダルトグッズに着目しました。そして、アダルトグッズ業界に参入するため、新たに立ち上げた会社がYOSです。そのため、現在YOSではけものひめシリーズの開発および卸販売のみを事業として行っています。

–アダルトグッズ業界初参入にあたり、なぜラブドールしかもケモナー向けだったのですか?
Y氏:現在、アダルトグッズはさまざまな製品が販売されています。その中で今までにある物、同じような物を造っても太刀打ちできない。今までにない視点で製品を造れないか模索していたところ、ケモナーというジャンルが同人誌などで盛り上がっていることを知りました。そして、その他にもさまざまなフェチをリサーチして分かったのですが、ケモナーというジャンルだけアダルトグッズがないことに。
そこで、ないのであれば我々で造ってしまおうと。そして、我々がアダルトグッズの中で究極と考えるラブドールケモナーの方々へご提供できないかとさらに話が進みました。
一般的なラブドールと比べ、収納に困らないサイズ。部屋に置いてもカモフラージュできる見た目、そういった考えの中でぬいぐるみをモチーフにし、開発に着手しました。

–アダルトグッズ業界に初参入ということで、不安などはなかったですか?
Y氏:ありましたが、日頃からさまざまなことを考えていく中で、何もしないよりもトライしてみてダメだったら次考えようよと話していました。しかし、けものひめシリーズはお客様と販売店様のおかげで、なんとか第三弾まで発売することができました。

–けものひめシリーズ第一弾発売後、何か反響はありましたか?
Y氏:まず同人誌を販売しているサイトにけものひめ きつのを卸させていただきました。そちらのサイトが世界初のケモナー向けラブドールとTwitterで呟かれると話題になり「なんだこれは?」と多くの方にけものひめシリーズを知っていただけました。
しかし、我々は当時そのことを知らなかったため、けものひめの公式サイトのアクセス数が急増し「な、何が起こっているんだ!? 攻撃か!?」と思い、詳しく調査したということがありました。
こういった多くの反響を受け、ケモナーというジャンルにこれだけ多くの方が関心を持っていることに驚きました。

–開発で苦労したことはありますか?
Y氏:ノウハウもなにもない状態からのスタート。まず、製造してもらう工場探しから始めました。ぬいぐるみ工場に当たっていったのですが、アダルトグッズと話すと「うちは子供に夢を売るために造っている。そんなものは造れない」と断られてしまったり、採算面で折り合いがつかないなど、工場探しに苦労しました。多数の工場へ当たっていくうちに「ここの工場ならやってくれるよ」とご紹介をしていただき、そちらの工場に依頼することになりました。
ただ、普通のぬいぐるみを製造している工場なので、オナホールを装着させたいを伝えるとなかなか理解してもらえず「こんなの売れるの?」と言われたこともありました。また、簡単にぬいぐるみに穴を開けるといっても難しいと言われてしまいました。

 


オナホール装着穴の試作の数々

ケモナー向けラブドールでアダルトグッズ業界に初参入! 開発担当に聞く、けものひめシリーズ誕生秘話

Y氏:こちらが胴体の試作品になります。胴体に穴を開け、内側をフェルト生地にしました。しかし、そのままオナホールを装着するとずれてしまったり、きつくて外せないなどといった問題が発生しました。
そういった問題にぶつかりながらも試作を重ね、ようやく現在のようなオナホールを専用の袋に入れ、それを胴体のボタンに引っ掛ける仕様にたどり着きました。装着袋は水着に使用される生地を使用していて、伸縮性と耐久性が高いものになっています。



ケモナー向けラブドールでアダルトグッズ業界に初参入! 開発担当に聞く、けものひめシリーズ誕生秘話

Y氏:胴体が完成するとイラストをどう再現するかという段階に取り掛かりました。体のどのパーツも立体的に再現するのが難しく、その中で最も難しいのが頭部でした。どうしたらそれっぽく仕上げられるか悩み、目の大きさを変えたり位置を変えたり、顔を大きくしたり小さくしたりしました。試行錯誤していくうちに1年が経ち、ようやく発売にたどり着くことができました。
また、試作途中の段階では脚が大きく開いていましたが、もっと脚を閉じられないか工場を相談し、今の形に仕上げました。逆に我々はパーツごとの可動を考えていなかったのですが、工場側から提案があり、腕や脚、首が稼動する現在の仕様になりました。

–苦労して完成した第一弾。ユーザーの方からはどんな感想が届きましたか?
Y氏:「コレじゃない、可愛くない」というご意見を山のようにいただきました(笑)



第二弾のアーニャからイラストレーターを起用

ケモナー向けラブドールでアダルトグッズ業界に初参入! 開発担当に聞く、けものひめシリーズ誕生秘話

Y氏:第一弾では社内のデザイナーがイラストを書きました。担当はケモナーではなかったため、イラストサイトで狐のイラストを調べ参考にして書いたのですが、それでは良くないと第一弾の発売を経て気がつくことができました。
そこで第二弾からケモナーのイラストを描かれているイラストレーターを探すことから始めました。
いろいろな方に声をかけたところ、絵コンテから参加していただける方が数名集まりました。そして、描いていただいたイラストの中で一番可愛いなと思ったのが、つじさんのイラストでした。
直接つじさんにお会いし、打ち合わせをしていく中で、第二弾は猫に決まりました。
体型はどうしようか、目はどうしようかいろいろと打ち合わせし、イラストありきで話を進めました。ぬいぐるみ製造の観点からだと制約だらけになってしまうため、つじさんが好きなように自由な発想でイラストを描いていただきました。その上でで体型について、どういったバランスがいいかなどの判断は我々で行いました。

 

ケモナー向けラブドールでアダルトグッズ業界に初参入! 開発担当に聞く、けものひめシリーズ誕生秘話
ケモナー向けラブドールでアダルトグッズ業界に初参入! 開発担当に聞く、けものひめシリーズ誕生秘話

Y氏:つじさんからはこういったところを気をつけるとよりケモノっぽくなるよとご指摘をいただき、それを我々でなるべく表現できるように開発を進めました。

–第一弾から大きく変わった点はありますか?
Y氏:第二弾から専用のウィッグを用意したことで可愛らしさを増すことができたと思います。また、第二弾は顔にこだわり5、6回試作を繰り返しました。イラストが可愛いと言われるのはつじさんの力もあり当然で、このイラストをどれだけぬいぐるみで表現できるかが課題でした。
そういった中、マズルと呼ばれる鼻口部の再現にも挑戦し、第一弾のきつのよりは表現できたと思いますが、我々の理想形までには作り上げきれなかったのが正直な思いです。

 

ケモナー向けラブドールでアダルトグッズ業界に初参入! 開発担当に聞く、けものひめシリーズ誕生秘話

–オッドアイはつじさんからのご提案ですか?
Y氏:はい、我々では思いつかない発想で参考になりました。

–第二弾の発売を経てお気づきになったことはありましたか?
Y氏:女の子らしさが重要なのだと気がつきました。そこで、胸を造るなどしましたが、イラスト通り再現するのは難しかったです。第一弾のきつのでは、男の子っぽいというご意見がありましたので、第二弾のアーニャではウィッグや胸で可愛らしさを表現しました。きつのもウィッグVer出したのですが、販売店様からは反応がなく(笑)

–公式ページには着物を着せた可愛いきつの写真が掲載されていますね。
Y氏:あの写真は手作りの着物を着せ、近くの神社で許可を貰い撮影しました。その他の写真も我々が行い、ホームページの作成まですべて我々が行っています。写真撮影はプロのカメラマンの方にお願いしたかったのですが、予算の都合もあり自分たちで行いました。



第三弾の寧々の話に

ケモナー向けラブドールでアダルトグッズ業界に初参入! 開発担当に聞く、けものひめシリーズ誕生秘話

Y氏:第三弾の寧々でも引き続きつじさんにイラストを手がけていただきました。犬がコンセプトということもあり、当初は毛の色を茶色や白で考えていました。しかし、ピンクにしたところ可愛いかったため「犬と言い切ってしまえば、これは犬だよね」というこちらの勝手な想いでピンクに決めました。

 

 

ケモナー向けラブドールでアダルトグッズ業界に初参入! 開発担当に聞く、けものひめシリーズ誕生秘話

–第二弾から大きく変わった点はどこでしょうか?
Y氏:今までと同じことしているのではなく新しいことに挑戦しようと思い、第三弾では3Dアイを取り入れました。そして、マズルの改良を行いました。マズルの改良により、あまり目立っていなかった口を少しは目立たせることができたと思います。本当は口を半開きにするなどもしたかったのですが、技術的に難しく実現できませんでした。
3Dアイについては着ぐるみなどで使われている手法を取り入れています。

 

ケモナー向けラブドールでアダルトグッズ業界に初参入! 開発担当に聞く、けものひめシリーズ誕生秘話

Y氏:着ぐるみもいろいろ見ましたが、牙や肉球や爪などがしっかり作りこまれていて、凄いなと思いました。その中で、より可愛く見せるために重要なのが目であるとに気づかされました。寧々はそれほど3Dっぽく造れませんでしたが、多少目線が離れていてもこちらを見ている視線を感じていただけると思います。寝かせたり抱いたりしたときに見つめ合えるように工夫しました。

–寧々はシリーズの中でも突出して可愛い顔ですね。
Y氏:頭部は職人さんがひとつひとつ手作りで造っています。そのため、微妙な違いがありひとつとして全く同じ顔というのはないと思います。ボディにも手作り部分がそこそこあるのです。

–シリーズ史上、一番可愛い顔もあってか、第三弾はもの凄い勢いで売れていますね。
Y氏:いろいろなところから問い合わせをいただき、我々も正直ここまで反響があると想像していませんでした。あっという間に在庫がなくなったため、追加生産を指示したのですが、頭部が手作りのため、製造に時間がかかってしまいます。在庫が切れてしまい申し訳ございません。

 

今後のけものシリーズについても

ケモナー向けラブドールでアダルトグッズ業界に初参入! 開発担当に聞く、けものひめシリーズ誕生秘話

–次回作に向けてどういったアイデアがありますか?
Y氏:進化し続けなければいけないという中で、アイデアはいろいろあるのですが、実現するのが技術的に難しいことが多々あります。
アイデアレベルですが例をあげると匂いをつける。ケモノっぽい匂いとか(笑)他にはランダムで喋るとか、問いかけに答える会話機能。
スマホなどから音声データをボディに送信してお客様の好きな声で喋ったり喘いだり。サイズ面ではもっと大きいタイプや逆に小さくして価格を抑えたタイプなど。いろいろと考えています。
価格に対するご要望も多いため、海外での生産も考えましたが、品質の低下が考えられます。そういった面からも今後も国内生産で品質の高いものをご提供し続けたいです。

–雄タイプを出す予定はないでしょうか?
Y氏:我々も雄タイプのニーズは把握しています。出展したけもケットで男の子Verも作ってくださいというご意見も直にいただきました。ただ、挿入されたいのか、挿入したいのか、どういった使用目的をコンセプトに置くか悩んでいます。とはいえ、いずれ男の子Ver造ってみたいと考えています。

–今後どんな動物をモチーフにされたいですか?
Y氏:ウサギやポニー、ガチムチの狼や熊などいろいろな動物を考えています。

–アイデアや意見のある方はたくさんいらっしゃると思います。
Y氏:はい、そういった方たちからアンケートを取りたいと思っています。「どんな動物がいいか」「サイズはもっと大きいのがいいか」など。
–そういった方たちは公式サイトからメールを送ればよろしいですか?
Y氏:はい、メールをいただけましたら、可能な範囲で次回作の開発に反映したいと思います。

–現在、第三弾の寧々に注文が殺到していますが、過去の2作も継続してコンスタントに製造されますか?
Y氏:生産予定数を決めており、その数量が完売した場合、基本的に販売終了となります。ご要望が多く集まれば、追加生産を行う場合もあります。

–けものひめシリーズのファンの方に向けて一言いただけますか。
Y氏:けものひめシリーズを愛し、可愛がってください。そして、我々はこれからも新しいものを生み出しみなさんの期待に応えられるように進化し続けていきます。

–本日はお忙しい中、ありがとうございました。
Y氏:こちらこそありがとうございました。



次回作に貴方のアイデアや意見が採用されるもかも!?

インタビューの中にあったように、YOS社では次回作に向けてアイデアやご意見を募集しています。
ぜひアイデアやご意見をお持ちの方はYOS社へお伝えください! 貴方のアイデアや意見が次回作に反映されるかもしれません!
けものひめお問い合わせページ:https://www.kemonohime.jp/inquiry/

当サイトでも引き続き、けものひめシリーズに注目し、新しい情報が入り次第、レポートします!!

【メーカー情報】
メーカー名:株式会社YOS
けものひめ公式サイト:https://www.kemonohime.jp/
けものひめ公式Twitter:https://twitter.com/KemonohimeStaff
けものひめシリーズ購入ページ:https://daimaoh.co.jp/list_maker188.html

【イラストレーター情報】
イラストレーター名:つじ
twitter:https://twitter.com/tsu_ji
pixiv:https://pixiv.me/tsuji28
第二弾のアーニャ、第三弾の寧々のイラストを手がけられています。



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今までにないアダルトグッズや全く売れていないが面白い製品を販売しているメーカーなど。
取材料はいただいていませんので、お気軽にお問い合わせください。
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