“私たちは美しくなれる”女装サロンを体験してきました 【前編】

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2015/10/02

ものしり.com編集部

“私たちは美しくなれる”女装サロンを体験してきました 【前編】

9月某日、ものしり.com編集部は東京にある女装サロンを訪れました。



女装サロンとは

女性に変身したい男性のために、利用者の方がリラックスできるプライベート空間でプロアーティストによる丁寧なカウンセリングとメイクアップを受けられるお店です。

“女装を楽しむ”ことが主旨であるため、性風俗的な場所ではありません。

また、女装サロンの多くは所在地を非公開にしており、お客様のプライバシーをしっかりと守ってくださいます。

 

今回は、編集部のスタッフHが実際にサロンのコースを体験し、女装の流れを解説しつつ、女装をはじめてみたい方を中心とした読者の皆様の不安や疑問を解消します。

お見苦しい画像もあるかもしれませんが、真面目に執筆いたしますので、どうかご容赦ください。

(筆:スタッフH)



1.予約~訪問

訪問したいサロンが決まったら、そのサロンのサイトの予約フォームから申し込みをします。フォームの入力項目はサロンによって様々ですが、今回取材に訪れたサロンのフォームの“女装名”という項目が大変印象的でした。これは、女装した時の自分の名前を自由に入力するというもので、以降、メールや電話、訪問時にはその名前で呼んでくださいます。

筆者は“マオ”で予約しました。

 

訪問時は、不安はほとんどありませんでした。

事前にサロンの方とメールにて、取材の申し込みや個人的に心配だったことを尋ねていたのですが、とても親切で丁寧な返信を頂いており、安心して当日に臨むことができました。



2.カウンセリング

サロンに到着すると、アーティストの方によるカウンセリングを受けます。カウンセリングと言っても決して形式的なものではなく、お茶を飲み、雑談を挟みつつ、自分のなりたい女性像を伝えてイメージを膨らましていくという、リラックスに重点を置いた方式で進められるため安心です。

【尋ねられたことと、その解説】

メイクはどんな風にしたいか

元の顔の造りを崩さないナチュラルなメイクか、目などをしっかり作るメイクか、相談して決めます。今回は記事で写真を載せられるよう、しっかりメイクをお願いしました。

この後に詳しくご紹介しますが、メイクは魔術です。あなたが望めば目はパッチリになり、ヒゲは姿をくらまし、肌も綺麗になります。心配なことがあればこの段階で遠慮せず相談し、正確に希望を伝えていきましょう。

何系の格好をしたいか

主にファッションについての相談です。こちらも遠慮せず、自分の希望を確実に伝えることが重要です。ファッションモデルの写真を提示するのも良いかもしれません。

サロンにはたくさんの衣装が様々な体型に対応して用意されており、流行に合わせて定期的に買い替えも行われています。きっと希望に沿う衣装があるでしょう。

 

 

室内には心地よい音量でリラクゼーションミュージックが流れます。お客様の緊張をほぐすため、快適な空間作りをされているとのことでした。

ここを訪れるお客様の平均年齢は大体40歳半ばで、最年長では70代後半の方もおられるそうです。近年では20代を中心とした若い方の割合も増えているとのことで、これには2010年頃からはじまった“男の娘ブーム”の影響もあるのかもしれません。

“私たちは美しくなれる”女装サロンを体験してきました 【前編】

(写真:音楽プレーヤー)



3.メイク

この項目では、顔に施すメイクだけでなく、バストやヒップを作るボディメイクからご紹介したいと思います。

サロンによりますが、ボディメイクの有無を選択する場合もあります。それにより料金が変動する可能性があるので、サロンを利用する前には十分な下調べを欠かさないようにし、不明なことは事前に尋ねてみるのが一番でしょう。

また、下着への着替えはサロンに設けられた更衣室で行えます。アーティストさんも席を外してくださるので、安心して着替えができます。

 

筆者がボディメイクを行う様子を写真でご紹介します。真面目にやっていますが、以下は閲覧注意とさせていただきます

 

下着とストッキングを装着。胸はパッドで作っています。筆者は脛毛が濃いため、黒ストッキング二重履きで隠します。事前に剃ることを推奨されていましたが、「剃ると痒くて辛いので、できれば剃りたくないのですが・・・・・・」とメールで相談していたこともあり、配慮してくださいました。

“私たちは美しくなれる”女装サロンを体験してきました 【前編】

(写真:下着・ストッキング)


コルセットとヒップパッドを装着。ウエストのくびれと、女性らしいヒップの丸みを作ります。

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(写真:コルセット・ヒップパッド)


・名称を失念してしまいましたが、黒いチューブ状のインナーウェアを装着。ウエストラインを引き締めます。

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(写真:ボディメイク用インナーウェア)


部屋着に着替え、採寸を行います。ボディメイクはこれで完了です。

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(写真:採寸中)



メイクを行います。

メイク中は、個人でメイクを行う場合の注意や、近年の利用者の女装志向などについて伺うことができました。写真とともにご紹介します。

 

・はじめに、パックで保湿します。15分ほどパックするため、用意してくださった旅行系の雑誌を眺めます。

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(写真:パック中)


化粧下地を塗ります。

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(写真:化粧下地)


・ヒゲを隠すため、赤みの強いファンデーションを部分的に。

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(写真:ヒゲを隠してもらっています)


・さらに顔全体にファンデーションを馴染ませます。

“私たちは美しくなれる”女装サロンを体験してきました 【前編】

(写真:ベースメイクが出来上がりつつあります)


ベースメイクについて、興味深い話を伺いました。

ベースメイクとは

ルージュをさす、アイラインを引くといった化粧の前に、化粧が乗りやすいように肌を整えたり、色味をよく見せたりする土台となる化粧のこと。

女装のベースメイクを作るうえで留意しなければならないのは、“女性用メイク”とは違った“女装用メイク”を行うということです。

例えば、男性の顔の造りは女性とくらべて角張っていたりゴツゴツしているため、凹凸を目立たなくさせるためのハイライトを入れるなどの工夫が必要となります。

メイク後も、ウィッグで顔のラインを隠し、輪郭を丸めたりすることでより女性らしい顔立ちを作ることができるのだそうです。

 

 

・アイメイクを開始します。まずはアイシャドウです。目は人の印象を大きく変えます。筆者は一重であることを気にしていますが、それがどれだけ変わるかを見てみたいと思いました。

アイプチやアイテープを用いて二重にすることについて尋ねてみましたが、その場合アイメイクに制限が掛かってしまうとのことで、代案として目を大きく見せる方向で行くことになりました。

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(写真:アイシャドウ)


アイラインを引きます。

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(写真:アイライン)


・眉を書き、眉マスカラで色味を調えます。

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(写真:眉のメイク)


・まぶたの垂れを軽減するため、サージカルテープでこめかみとおでこの皮を引っ張ります。のちにウィッグをかぶせるため、このテープは隠れます。女装ならではの面白い手法です。

サージカルテープというとガーゼや包帯を固定するものというイメージしか持っていませんでしたが、肌に貼ってもダメージが少ないテープであるため、就寝時にシワ取りに貼るなど、美容目的にもよく活用されているようです。

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(写真:サージカルテープで皮膚を持ち上げます)


つけまつげを付けると、人相がすっかり変わりました。

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(写真:つけまつげ装着後)


・下のアイラインを引きます。(ちょっと怖かったです)

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(写真:下まぶたにアイライン)


・アイメイクが完了しました。

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(写真:ぽかーんとする筆者)



このサロンは2007年にオープンしたそうですが、ここ何年かで訪れる方が急激に増えたようです。これは女装願望者が増加しているということを表しており、比例して、女装サロンや類似の店舗も増加しているようです。

それに伴って、昔は標準的なメイクをして着替えて写真を撮るというのが主流だった女装サロンも、様々な趣向に対応して、それらに特化した性質を持つ店舗が出てきているそうです。(メイクに強い、和装ができる、服や靴を海外から仕入れておりサイズが豊富、等々)繰り返しになりますが、サロンを探す時はよく調べ、不明なことは尋ね、自分のやりたいことに合った、信頼できると思えるところを選ぶことが重要です。

前編はここまでです。続きは【後編】にて。

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