かなまら祭で有名な金山神社を見学してきました

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かなまら祭で有名な金山神社を見学してきました

 

 

読者の皆様は、金山神社をご存知でしょうか。

金山神社とは

神奈川県川崎市の若宮八幡宮の境内社の一つ。

男根をかたどった御神体“かなまら様”をお祀りし、毎年春には巨大な男根神輿が登場し街を賑わす奇祭“かなまら祭”が開催されるという、世界的にも珍しい性信仰が残る神社の一つ、それが金山神社です。

今回は、金山神社とかなまら祭をご紹介するため、神奈川県は川崎市を訪れました。

(筆:スタッフH)

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(写真:川崎大師駅)



川崎大師駅を出てすぐ、川崎大師へ誘う表参道厄除門が見えます。

元々、若宮八幡宮はこの先の川崎大師の鎮守社とされてきましたが、明治元年の神仏分離令を受け、独立するに至りました。

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(写真:表参道厄除門)



門の方へは行かず、駅から南へ直進すると、すぐに若宮八幡宮が見えてきます。

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(写真:若宮八幡宮の石鳥居)



まずは手水舎で手と口を清めます。

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(写真:手水舎)



幟(のぼり)です。金山神社の象徴とも言うべき男根の模様が目を引きます。

写真左、奥の絵馬殿の方へ目をやると、鎌や刀身が梁に飾られているのが見えます。これらもこの金山神社を象徴する重要なアイテムです。

まずはこの象徴物と性信仰の関係を解説します。

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(写真:幟と絵馬殿)



金山神社に祀られている神様

金山神社には、金山比古神(カナヤマヒコノカミ)と金山比売神(カナヤマヒメノカミ)の二柱が祀られています。

この二柱は名前の通り鉱山を司り、鉱業、鍛冶などの金属技工を守護する神様とされています。

そのため、境内では随所に鎌や刀剣といった鉄器の模様が見られます。

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(写真:絵馬殿の後ろ側)



性信仰の由来

では、性信仰はどこから来たのでしょうか。

Wikipedia(金山神社について)をもとに、二つの説をピックアップしました。

 

・上記の二柱は、イザナミが火の神カグヅチを生んだ際、女陰を火傷し、苦しんで吐き出した多具理(タグリ=嘔吐物)から生まれた神様で、この二柱が、なおも苦しむイザナミを手厚く看病したことから転じて、お産や下半身の病に対する守護神と見られていることから。

 

・鍛冶に使う“ふいご”のピストンの動きが性交を思わせることから。

ふいごというと、蛇腹(じゃばら)ふいごを想像しがちですが、ここで言われるふいごは箱ふいごと呼ばれるもので、箱から出ている棒を押し引きでピストンさせることで空気を送り出すという仕組みのものです。

社殿に実物が置かれているらしいのですが、普段は開かれておらず、内部を撮影することはできませんでした。

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(画像:蛇腹ふいごと箱ふいご)



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(写真:社殿外観)


このような由来から、金山神社では性信仰の象徴として「金魔羅様(かなまらさま)」と呼ばれる巨大な男根型の神様を御神体としています。

 

 

社殿前の立派な黒い男根と並んでみました。金属製の男根と金床。この金山神社を象徴するモニュメントと言えるでしょう。

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(写真:社殿前の黒い男根)


こちらは境内の隅の方にひっそりと佇む赤い男根。柵を背にして参拝者を見守っているようです。

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(写真:静かに佇む赤い男根)



絵馬殿

参拝者の方々の願いが込められた絵馬が奉納されています。素敵なイラストが描かれた絵馬も納められており、新堂エル氏などの著名な漫画家のイラスト付き絵馬も拝見することができました。

中央の金床には、これらの願いを天に届けるかのように立派にそそり立つ男根が居座ります。

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(写真:絵馬殿)



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(写真:男根付き金床)



かなまら祭

金山神社といえば、毎年4月の第1日曜日に行われる“かなまら祭”の話題は外せません。国内外から多くの観光客が訪れ、巨大な男根が祀られた神輿が街を練り歩く、大変有名な奇祭です。

 

このお祭りは、江戸時代、川崎宿の飯盛女(宿の仲居と私娼を兼任する女性)が性病除けや商売繁盛祈願に行った“地べた祭”というものが原形となっています。

明治以降、寂れてしまった金山神社ですが、1977年、信者組織“かなまら講”が発足し、前述の地べた祭を元に“かなまら祭”を催しました。

以降、奇抜な神輿や仮装行列、大根削りなどの一風変わったイベントが盛り込まれ、大規模な祭事となりました。

昭和60年代にはエイズ予防にお祭りを結びつけたことが話題を呼び、近年ではインターネットの力も加わって、毎年盛大な盛り上がりを見せるお祭りとなっています。



資料館

境内の郷土資料館を見せてもらいました。通常、館内の撮影はできませんが、今回は特別に許可を頂いて撮影を行っています。

かなまら講二代目講元、塚本氏によって奉納された民芸品や書物などの貴重な物品は、“つかもとコレクション”と呼ばれ、ここに展示されています。

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(神社の方の許可を得て撮影しています)


男根をはじめとした精巧な民芸品の数々。壁には昔の祭事の様子を収めた写真も飾られていました。

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(神社の方の許可を得て撮影しています)



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(神社の方の許可を得て撮影しています)



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(神社の方の許可を得て撮影しています)


すごい数の男根です。

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(神社の方の許可を得て撮影しています)


“さずかり飴”と書かれた大きな男根は、お祭りの飴の販売所などで使われたのでしょうか。

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(神社の方の許可を得て撮影しています)



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(神社の方の許可を得て撮影しています)



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(神社の方の許可を得て撮影しています)


性的であり、美しい人形たち。その中に混じって、展示台奥に飾られた剣が一際目を引きます。

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(神社の方の許可を得て撮影しています)


性神、性信仰に関する書物。

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(神社の方の許可を得て撮影しています)


キーホルダーなどの近代的な展示品もありました。

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(神社の方の許可を得て撮影しています)



お守りと幸せ飴

境内で売られているお守りと幸せ飴です。

立派な桐箱に納められたお守りと、男女を象徴した飴は大変御利益がありそうです。

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(病気平癒のお守りと幸せ飴)



類似のお祭り

日本神話の神々はしばしば性的であり、そのため性信仰が残る神社というのは金山神社以外にも数多く存在し、類似のお祭りも開催されています。

ここでは、近日開催される類似のお祭りをご紹介します。

毎年9月第4週土曜日に長野県美ヶ原温泉で開催される“道祖神まつり”は、女性が巨大な木製の男性シンボルにまたがり、厄除けや縁結び、子宝を祈願するという伝統行事で、温泉街で開催されることもあり、多くの観光客が訪れる盛大なお祭りだそうです。

また、地元民でない方でも、希望すれば木製シンボルに乗れる可能性があるようです。ご興味のある方は是非足を運んでみてください。



最後に

観光する上で注意したい、とても大切なこと。

神社は神様をお祀りしている神聖な場所で、お祭りは神事です。くれぐれもその地に居ます神様に失礼のないように振舞いつつ、安全に楽しむことを忘れてはいけません。

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この記事の編集者

ものしり.com編集部

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