シャドーアートってどうやって作るの? 廃アダルトグッズでやってみた
企画・実験
こんにちは。ものしり.com編集部です。
突然ですが、皆様はシャドーアートをご存知でしょうか。
暗闇の中、手で狐や犬の形を作り、光を当ててスクリーンに映して遊ぶ、「影絵あそび」というものがありますが、シャドーアートとはその応用のようなもの。
一見するとゴミの塊のようなオブジェに、あるポイントから光を当てると意味を持った影が浮かび上がるという神秘的な芸術作品はその代表例で、テレビなどでご覧になられた方もいらっしゃるかと思います。
今回、ものしり.com編集部は、2015年末の社内大掃除で出た廃アダルトグッズを使用して、このシャドーアートの制作に挑戦しました。
影絵に慣れる
まずは小さなものを作って、作業の流れや影の挙動を見ていきます。
(無題)
(題:太陽の塔)
だんだん大きな作品へ
(題:アヤソフィア)
この写真を持ち帰ったところ、「(イメージしてるのは)こういうのじゃないねんな~」と店長から厳しいお言葉が。
店長「もっとこう、ティム・ノーブル&スー・ウェブスター(※)みたいなのを作ろうぜ。オブジェもただ並べるんじゃなくてもうめちゃくちゃに、こう、アレ、塊魂みたいな感じで、『うおーすげー! なんやこれ!』みたいな」
スタッフH「お任せください(マジ無理)」
※ティム・ノーブル&スー・ウェブスター
イギリスのアーティスト。イラスト・造形のほか、ガラクタを使用した素晴らしいシャドーアートを多数発表している。
いろいろ調べてみても・・・・・・
さて、有名芸術家レベルのものを作るためにはどうすればいいか。調べてみましたが、シャドーアートについての情報というものは驚くほど少なかったのです。
「こんなすごい作品があるよ!」という紹介の記事は見かけるのですが、どれも「これらを制作するには」といったところにはほとんど触れていません。
おそらくですが
・シャドーアート制作者がとても少ない
・制作過程の資料が残っていない
といった要因があることが予想されます。
とにかく、既存の作品を参考にしつつ、作業は我流で進めることにしました。
1.アタリを作る
これまでの制作で愚かだったのは、明確な完成予想図を描かず、行き当たりばったりで部品を配置して「それっぽく」仕上げようとしていたことでした。
これは二次元の制作で言うと、イラストのアタリやラフ、漫画ならネームを描かずにいきなり清書に入るような無謀な行為で、推奨されないことでしょう。
(写真:ダンボールを切り取ってアタリに)
お題に悩みましたが、「男性の横顔」を作ることにしました。少し不恰好ですが、ダンボールを使用しています。
さらに、オブジェに立体感を持たせるため三列の配置にしています。
2.肉付け
(写真:肉付けのようす)
スクリーンに影を映しながら、ダンボールをグッズに置き換えたり、肉付けをしていきます。オブジェ感を出すために平面に付けるだけでなく、三次元的な肉付けを心がけます。
グッズの接着にはグルーガンを使用しています。
(写真:途中経過の影)
さて、上の写真の段階では、男性は眼窩がややへこみすぎで、鼻も釣り上がり気味です。これらの問題点をダンボールの切り取りやグッズの影で微修正していきます。
簡単そうに見えますが
・自分の手の影が邪魔
・支柱が少しずれると影の形が変わる
・光源とオブジェの距離によって影の大きさが変わる
などの要因によってなかなか難しく、時間を要する作業でした。
(写真:途中経過のオブジェ)
一番奥のオブジェは影の輪郭を担っていますが、どうにもグッズ類では鋭角な表現が難しく、パッケージの切れ端を使うという苦し紛れの策に走らざるを得ませんでした。
3.完成
全てのオブジェの肉付けを終えて、完成です。
(写真:完成したオブジェ)
別角度から。かなり塊感は出ていると思います。
(写真:別角度から)
早速照らしてみましょう。決まったある角度からの光でしか「男性の横顔」にならないため、光源を動かしてぴったりそこに来るまでを動画でお送りします。
制作中、完成形の影を常に見ていたはずなのですが、動画撮影時、めちゃくちゃだった影があるポイントで人の形になった瞬間はとても感動しました。
(写真:影のみ)
(写真:オブジェと影)
いかがでしたか。
制作に入る前、資料がほしくて何度かシャドーアートの作り方について調べましたが、全く見当たらず、相当悩まされました。
素人作品ですが、この記事が今後影絵に興味を持たれた方の参考になれば幸いです。
(筆:スタッフH)
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